先日外国スタッフ向けにプロジェクトの説明をする機会を得ました。英語での説明となったわけなんですが多少準備していたんですが意外とうまく説明できなかった部分もありもどかしさを覚えた部分もありました。
具体的には図面を使って説明する時に右上のこの箇所はとか真ん中の少し下のこの部分はとか日本語では簡単に説明できるのですが英語で説明する時に図面のその場所を指示する際少し戸惑ってしまってうまく伝わったかよくわからない時がありました。
ということで改めて英語のプレゼンのポイントをまとめたいと思います。英語が母国語でない私たちにとって、効果的な英語プレゼンテーションには独自の課題があります。この記事では、英語プレゼンテーションを成功させるための構成、表現、そして効果的な練習方法について詳しく解説します。
効果的な構成:大枠から細部へ
大枠からスタートする重要性
英語プレゼンテーションで最も重要なのは、最初に全体像を示すことです。これは日本人向けのプレゼンテーションと同様ですが、英語でのコミュニケーションではさらに重要です。聞き手が英語を第二言語として聞いている場合、明確な構造がなければ内容を追うのが難しくなります。
プレゼンテーションの冒頭では以下の情報を必ず含めましょう:
- プレゼンテーションの目的
- 主なトピックの数と内容
- 予想される所要時間
- 質疑応答のタイミング
英語プレゼンテーションの黄金法則:Tell them³
英語圏では “Tell them what you’re going to tell them, tell them, then tell them what you told them”(これから話すことを伝え、話し、話したことをまとめる)という原則が広く使われています。この3ステップ構造を意識することで、聞き手の理解度が格段に上がります。
- 導入部(Tell them what you’re going to tell them)
「今日は3つのポイントについてお話しします。それは〇〇、△△、□□です。」 - 本論(Tell them)
各ポイントを順番に詳しく説明する。 - まとめ(Tell them what you told them)
「今日お話しした3つのポイントを振り返りますと、〇〇、△△、□□でした。」
構造を明確にする英語表現
プレゼンテーションの構造を明確にするために役立つ英語表現:
- “Today, I’d like to focus on three main points.”(今日は3つの主要ポイントにフォーカスします)
- “Let’s break this down into four sections.”(これを4つのセクションに分けて説明します)
- “Moving on to my second point…”(2つ目のポイントに移ります)
- “To summarize what we’ve discussed so far…”(ここまでの内容をまとめますと)
場所や方向を示す英語表現
図面や表などの視覚資料を説明する際、場所や方向を正確に示す表現が不可欠です。
基本的な位置表現
- 上部/下部: top/bottom
- 左/右: left/right
- 中央: center, middle
- 角: corner
組み合わせた位置表現
- 左上: top left, upper left corner
- 右上: top right, upper right corner
- 左下: bottom left, lower left corner
- 右下: bottom right, lower right corner
- 中央やや上: slightly above the center
- 中央やや下: slightly below the center
- 左端: far left, leftmost
- 右端: far right, rightmost
実践例
- “If you look at the diagram in the upper right corner, you’ll see…”(右上の図を見ていただくと…)
- “The data in the bottom section shows our quarterly results.”(下部のデータは四半期の結果を示しています)
- “Let me draw your attention to this area in the middle.”(中央のこのエリアに注目してください)
先日のプレゼンテーションではまさにこうした表現が必要とされる場面が多かったので今一度私はこの表現を復習しておきます。
よく使うプレゼンテーション英語フレーズ集
導入部
- “Thank you for giving me the opportunity to present today.”(本日発表の機会をいただきありがとうございます)
- “Before I begin, let me give you a brief overview of what I’ll be covering.”(始める前に、簡単に概要をお話しします)
- “My presentation today will cover three key areas.”(本日のプレゼンテーションは3つの主要分野をカバーします)
移行表現
- “Now, let’s move on to the next point.”(では、次のポイントに移りましょう)
- “Having discussed X, I’d now like to turn to Y.”(Xについて話した後、次はYに移りたいと思います)
- “This brings me to my final point.”(これで最後のポイントに来ました)
視覚資料の紹介
- “As you can see from this graph…”(このグラフからわかるように…)
- “This slide illustrates the process we followed.”(このスライドは私たちが従ったプロセスを示しています)
- “Let me walk you through this diagram.”(この図について説明させてください)
結論
- “To wrap up, I’d like to emphasize three key takeaways.”(まとめとして、3つの重要なポイントを強調します)
- “In conclusion, our findings suggest that…”(結論として、私たちの調査結果は…を示唆しています)
- “Thank you for your attention. I’m happy to answer any questions.”(ご清聴ありがとうございます。質問があればお答えします)
視覚資料の効果的な使い方
シンプルさを心がける
英語プレゼンテーションでは、視覚資料はより重要な役割を果たします。特に聞き手が英語を第二言語としている場合、視覚的補助があることで理解度が大幅に向上します。
- 1枚のスライドに含める情報は少なめに
- 箇条書きは5〜7項目以内に抑える
- 複雑な図表は段階的に説明する
視覚資料と言葉の一致
視覚資料を示しながら話す際は、言葉と視覚情報を一致させることが重要です。
- スライドに表示されている用語と同じ用語を使用する
- 図表の特定部分を指す際は明確に位置を示す
- 「このグラフの赤い線」などの色や形での指示も効果的
英語プレゼンテーションの練習方法
録音・録画して自己分析
英語プレゼンテーションの上達には、自分のパフォーマンスを客観的に分析することが不可欠です。
- プレゼンテーションを録音または録画する
- 以下のポイントをチェックする:
- 話す速度は適切か
- 明確に発音できているか
- 文と文のつながりは自然か
- ボディランゲージは適切か
シャドーイングで英語表現を身につける
優れた英語プレゼンターのプレゼンテーションを聞き、同時に声に出して真似ることで、自然な英語のリズムや表現を身につけられます。
- TED TalksなどのプレゼンテーションビデオをShort (1-5分) で探す
- 何度も聞いて内容を理解する
- 話者と同時に声に出して話す練習をする
- 特に導入部、移行表現、結論部などの表現を意識する
リハーサルの重要性
本番と同じ条件でのリハーサルは不可欠です。
- できれば聞き手を1人でも用意してフィードバックをもらう
- 時間を測定し、予定時間内に収まるよう調整する
- 想定される質問への回答も練習しておく
質疑応答の対応策
質疑応答は多くのプレゼンターにとって最も緊張する部分です。以下の準備をしておきましょう。
よくある質問と回答の準備
- プレゼンテーションの内容に関連して予想される質問をリストアップする
- 各質問に対する簡潔な回答を準備する
- 専門用語や複雑な概念については、より簡単な言葉での説明も用意しておく
質問を聞き返す英語表現
質問の内容が不明確な場合に使える表現:
- “If I understand correctly, you’re asking about…”(正しく理解していれば、あなたは…について質問されていますね)
- “Could you please clarify what you mean by…?”(…という意味を明確にしていただけますか?)
- “I’m not sure I fully understood your question. Are you asking about…?”(質問を完全に理解できませんでした。…について質問されていますか?)
答えられない質問への対応
すべての質問に即答できるとは限りません。その場合の対応:
- “That’s an excellent question. I don’t have the specific data with me right now, but I’ll follow up with you after the presentation.”(素晴らしい質問です。今具体的なデータを持っていませんが、プレゼン後にフォローアップします)
- “I’d need to check on that and get back to you. Could I have your contact information?”(確認して返答する必要があります。連絡先をいただけますか?)
まとめ:明日からできる実践ポイント
英語プレゼンテーションを成功させるためのポイントをまとめます:
- 構造を明確に:大枠から細部へ、「Tell them³」の原則を応用する
- 位置表現を習得する:図表説明に必要な位置表現をマスターする
- キーフレーズを覚える:導入、移行、結論など場面別の定型表現を準備する
- 視覚資料を活用:シンプルで理解しやすい視覚資料を用意する
- 徹底的に練習:録音・録画での自己分析、シャドーイング、リハーサルを行う
- 質疑応答の準備:予想質問への回答、聞き返しの表現を用意する
英語プレゼンテーションは練習の積み重ねで必ず上達します。一度にすべてを完璧にしようとせず、一つずつスキルを磨いていきましょう。構成、表現、練習方法の各要素を意識して取り組むことで、自信を持って英語でのプレゼンテーションに臨めるようになります。本日も最後まで読んでくださりありがとうございます。
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