「生まれかけの卵」
日本では卵と言えば普通にゆで卵として食べるだけですし、昔なんで卵なのに赤ちゃんがいないのだろうという漠然とした疑問がありましたが「有精卵・無精卵」とやらで、なんとなくわかったつもりで時が流れていました。
さて、そんな日本での日常が、ベトナムで破られました。ベトナムではうまれかけの卵を食べる習慣があるのです。私はそのようなものは絶対に食べれないと思っていたのですが、
昨日は間違いました。
メニューは相変わらずベトナム語オンリーでよくわからないので、Google翻訳でメニューを見ているとうずらの卵というのがありました。もともとうずらの卵が大好きだった私としてはラッキーとおもい、何も考えず即、頼みました。

すると写真のようにたくさんのうずらの卵が出てきました。日本で中華丼を注文すると、うずらの卵と言えば、多くても3つ位。ざるそばについてくるものは基本1つ。
というわけで、こんなにでてくると嬉しいもんです。
【ラッキー!】
しかも今回のうずらの卵の値段は35,000 VND 、つまり200円弱です。嬉しいなぁと思いながら食べるにいたりました。
さっそくたまごの皮をむき始めると。。。
中からは何やら真っ白でない変な色が出てきます。

よく見れば何か目のようなものも見える気がします。
そうなんです生まれかけの卵だったんです。
【うわー】
と思いながらも頼んだものはしょうがないと思い皮をすべてむいて食べることに。じつは、どこかで、この生まれかけの卵はとても滋養強壮によく、髪の毛などにもよい、と聞いていたこともあり勇気をだしてたべることに。。。
わたしは、1年に一回ある健康診断のときの採血の注射針がきらいで必ずみないようにするのですが、同様に、卵は間接視野でみつつ、なるべく卵に焦点をあてずに食べてみることとしました。
いざ食べてみると、味はほとんどゆで卵に近い感じでした。ただ口の中で「あーこれは胴体かなぁ」とわかるような感触がありました。ただ、冷静に考えると鶏肉も日常的に食べているわけで、食べてしまえば、卵と鶏肉に少しだけ、羽のようなものがある???みたいな感じでした。
「ごめんなさい」と思いながらも、あまりにもたくさんお皿にのっているので、次々にチャレンジさせていただきました。こういった体験をとおして日本語の
【いただきます】
の意味も再理解します。さて、そうこうしているうちに、店員さんがこられたので、本当にこの食べ方で良いのか、店員さんに聞くと
「カラをちょっと割ってフォークで刺して取り出して、取り出したものを、赤いたれにちょんちょんとつけて食べる、」
とジェスチャーで言われたので、食べ方が分かり、次からはフォークをさして食べるようになりました。

ただこれが、なかなかフォークで刺すと言うのも抵抗あります。途中からは「これは鶏肉なんだ」と頭で思い込んでさすようにしました。これもベトナムでの経験としては良いだろうと思いながらのチャレンジしました。
ほんとは、単に間違えただけだけど、これでもしかしたら、明日はめちゃくちゃ元気で、髪の毛が生えてきたら、また食べに来ちゃうのかもと想像しながら、お支払い。見た目はとにかくいわゆるゲテモノですし、食べてみても何やら想像できてしまうところもあったので、なかなかハードルが高い料理でした。
ただ、これを読んだかたは、ベトナムにこられたらぜひ、いちどはチャレンジしてみたらいいと思います。ちなみに以前は食べれなくて、ベトナム人の知り合いがビールを飲むときに、カラを1部分だけ割って、「チュ~」っと吸ってたべていたのが印象的でした。
しかもそのあとも、「チュ~」「チュ~」「チュ~」と次々とたべていたので、卵ってそんなもんなのかと思いながら見ていたことも思い出します。
なお、今回うずらの卵と一緒に何やら草が出てきていたのですが、後から調べるとこれはコリアンダーと呼ばれる草のようで、草というかハーブで一般的には血糖値を上昇するのを抑えたり、抗酸化作用があったり、心臓疾患のリスクを下げる効果などがあるとのことです。
まぁ体には良いようです。
なんだか、草むらの卵を想像させられてしまい、草のほうは食べる気にはなりませんでした。ベトナムはまだまだ分からないことだらけです。

ちなみにこの店はこのうずらの卵以外にチャーハンやエビ、及びアサリの酒蒸しのようなものを頼んだのですが、チャーハンが5万ドン(300円弱)、アサリの酒蒸しも5万ドンとなかなかコスパ的には良い店でした。私の祖先は南方から来たのかもしれないとおもった食事でした。

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