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【ザッポスの奇跡】を読んでみた。何がすごいのか?何が使えるのか?

ザッポスの奇跡というのを読んでみました。頭に残っているのはザッポスと言うのは、入社時の研修で少しでも遅れるとすぐクビになると言うこと。また1週間か1ヵ月か、わからないですけど、やめた場合の報酬金が1000ドルあると言うこと。

1000ドルあると言う事はつまり200,000円弱。

何も働いてなくても1000ドルもらえると言う状況下でも残った人だけが仕事をしているということです。この制度を利用しているのは年間で1%位だけのようですが、まぁそれでもなかなかの驚きの生徒と言えると思います。というわけで、ザッポスと言うのは何がすごいのかというのをちょっと調べてみました

本の表題にはAmazonが屈したみたいなサブタイトルの記載が書いてあったので、まずは売り上げ規模や従業員数なども確認したいと思います。従業員はそれほど多くないというのを本のどこかで読んでますので、どれくらいの規模感なのか確認してみたいと思います。

後は、CEOの方が何かをきっかけに丸坊主になって、その辺で掃除をしていたと言う文章を読みました。なんでそうなったのか分かりませんが、CEOがそれだけ一般社員の前にも現れると言うような風潮があると言うとこだと思います。風潮というか、企業文化ですね。

企業文化は一人一人が作り上げるということと同時にそうは言っても、CEOの力が強いと言う言葉が結構、わたしには突き刺さりました。私も海外で海外のナショナルスタッフなどを従えてて。。。従ってっていうのはちょっと違いますね。ナショナルスタッフと一緒に仕事をやってきていて思ったのが、やはり自分の理想像をかかげているとそれに追従したいと思う人はついてきます。ちょっと違うなとか思う方は離れていきます。そうは言っても、私の場合人を雇うときには、僕の信念を掲げて、その信念と違うと思ったらやめてくれと言ってますので、基本的には皆さん続けてくれています

さて、話が進んだところで、ザッポスの売り上げを確認してみましょう

ザッポスの売り上げはどれくらいなの?

ザッポスの正確な売上高は下記のようにいわれています。(ネット情報なので多少違う可能性があります。)

  1. ザッポスは2009年にAmazonによって約12億ドルで買収されました。
  2. 買収時の2008年の売上高は約10億ドルだったと報告されています。
  3. その後の具体的な売上高は公表されていませんが、Amazonの一部門として成長を続けていると考えられます。
  4. 2020年には、ザッポスのCEOが年間売上高は約20億ドルに達していると述べたという報道がありました。

なるほど、現在の1ドル150円前後のレートで何晏が得ると、売上高は、当初は1500億円程度あったあということです。業界にもよりますが、わたしのいる建設業界でいくと、中堅クラスの規模はあったということです。

ザッポスってAmazonの子会社なのか?

なんと、ザッポス(Zappos)はAmazonの子会社です。本に、アマゾンが屈したと記載があったのに子会社化されているというのが驚きでした。主なポイントは以下の通りです:

  1. 買収: Amazonは2009年にザッポスを買収しました。
  2. 買収額: 買収額は約12億ドル(当時のレートで約1,100億円)でした。
  3. 独立性の維持: 買収後も、ザッポスは比較的独立した運営を続けています。Amazonは、ザッポスの企業文化や経営方針を尊重し、大幅な変更を加えることなく運営を許可しています。
  4. ブランドの継続: ザッポスは引き続き独自のブランドとして運営されており、Amazonのブランド名での統合は行われていません。
  5. 経営方針: ザッポスは、顧客サービスに重点を置いた独自の経営哲学を維持しています。これは、Amazonの効率重視のアプローチとは異なる部分もあります。

このように、ザッポスはAmazonの子会社でありながら、現在は独自のブランドアイデンティティと経営スタイルを保持しているとのこと。これは、大企業による買収後も、被買収企業の強みを活かす戦略の一例と言えるでしょう。そういえば、わたしのまわりでも、子会社化されたけど、それなりに利益をはじきだしているのでそのままの文化を継続することができている事例があります。

ザッポスの事業内容はなんなの?

そもそも、よく名前は聞くけど、少なくとも私はザッポスのことを全く知りませんでした。ザッポスの主な事業内容は以下の通りです:

  1. オンライン小売:
    • 靴: ザッポスの主力商品です。幅広いブランドと種類の靴を取り扱っています。
    • 衣料品: 近年、衣料品の品揃えを拡大しています。
    • アクセサリー: バッグ、財布、サングラスなどを販売しています。
  2. カスタマーサービス:
    • 顧客満足度を重視した365日24時間対応のカスタマーサービスを提供しています。
    • 返品・交換の無料サービスを提供し、顧客の利便性を高めています。
  3. 企業文化コンサルティング:
    • Zappos Insightsという部門を通じて、他企業に対して企業文化や顧客サービスに関するコンサルティングを行っています。
  4. 技術開発:
    • eコマースプラットフォームの継続的な改善と開発を行っています。
    • 顧客体験を向上させるための新技術の導入を積極的に行っています。
  5. サステナビリティ initiatives:
    • 環境に配慮した商品の取り扱いや、持続可能な事業運営に取り組んでいます。

ザッポスのビジネスモデルの特徴は、単なる商品の販売にとどまらず、優れた顧客体験の提供に重点を置いていることです。彼らの「Deliver WOW Through Service」(サービスを通じて感動を届ける)という企業理念は、ビジネスのあらゆる側面に反映しています。企業文化コンサルティングをしているという点も面白いですね。

顧客体験を向上させるという事は、どこの会社でも考えていることだと思います。ザッポスが特別にそうであると言う事例を次の章で考えてみましょう。

顧客体験の工場なんて皆考えてる。だけど、ザッポスはなぜ特別なのか?

ザッポスは確かに顧客体験の向上に特別な重点を置いており、その取り組みは業界内でも際立っています。以下にザッポスの特徴的な事例をいくつか紹介します:

  1. 無制限の通話時間: カスタマーサービスの担当者に通話時間の制限を設けていません。2023年には、顧客との単一の通話で10時間43分という記録を達成しました。これは、顧客満足を数値や効率性よりも重視する姿勢を示しています。
  2. 365日24時間体制のカスタマーサービス: 多くの企業が自動応答システムや限られた営業時間を設けている中、ザッポスは年中無休で人による対応を提供しています。
  3. 100%満足保証と365日間の返品ポリシー: ほとんどの小売業者が30日程度の返品期間を設けているのに対し、ザッポスは購入から1年間の返品を無料で受け付けています。
  4. "Decline a Sale" ポリシー: 在庫切れの商品について、競合他社を紹介することもあります。これは短期的な売上よりも顧客との長期的な関係構築を重視する姿勢を示しています。
  5. 新入社員研修プログラム: 全ての新入社員(経営陣を含む)に対し、4週間の顧客サービストレーニングを義務付けています。これには、実際に顧客対応の電話を受ける研修も含まれます。
  6. "Zappos Adaptive" プログラム: 障害のある顧客向けに特別に設計された商品ラインを提供しています。これは、包括的な顧客サービスへのコミットメントを示しています。
  7. 予想外のサプライズギフト: 時折、顧客に予告なしで無料のアップグレードや追加商品を送ることがあります。これは「WOW」体験の創出を目指すものです。
  8. "Zappos Live" のパーソナルショッピング体験: オンラインでありながら、ビデオチャットを通じて店員と対話しながら買い物ができるサービスを提供しています。

これらの施策は、多くの企業が採用を躊躇するほど徹底したものです。ザッポスはこれらの取り組みを通じて、単なる取引以上の価値を顧客に提供し、強力なブランドロイヤリティを築いています。確かに、1番の無制限の通話時間、2番の念中無休。3番の返品ポリシー。4番の他社紹介はなかなかマネできません。

7番のサプライズギフトやに関してはちょっとだけ、共感する部分があります。わたしも顧客とは感動を届けることだと思ってますので、感動を与えることが、何より重要だと思っています。スタッフ全員が、エンターテイナーであるべきだと私は考えています。

しかし、これだけで物は売れるのでしょうか。。。

サービスが良いだけでは売れないと思いますが、ザッポスはどうなの?

確かに、顧客サービスだけでは長期的な成功は難しいはず。製品の品質は非常に重要な要素です。ザッポスの場合、調べてみると以下のように製品の品質と顧客サービスの両方に注力しているようでした。

  1. 幅広い品揃え: ザッポスは高品質なブランドから手頃な価格の商品まで、幅広い選択肢を提供しています。これにより、様々な予算と好みの顧客のニーズに応えています。
  2. 品質管理: 取り扱う製品の品質基準を設けており、信頼できるブランドやサプライヤーとのみ取引しています。
  3. 詳細な製品情報: 各製品について詳細な情報、高解像度の画像、場合によっては動画を提供し、顧客が適切な選択をできるようサポートしています。
  4. カスタマーレビュー: 購入者からの honest なレビューを掲載し、製品の実際の品質や使用感を他の顧客と共有できるようにしています。
  5. 返品ポリシー: 365日間の返品ポリシーは、顧客が安心して購入でき、品質に満足できない場合に返品できる保証となっています。
  6. ブランドキュレーション: 品質の高いブランドを積極的に取り扱い、時には独占販売契約を結ぶこともあります。
  7. フィードバックループ: 顧客からのフィードバックを製品選定や在庫管理に反映させ、品質の維持・向上に努めています。

ザッポスの成功は、優れた顧客サービスと高品質な製品の組み合わせによるものと言えます。サービスは顧客を引き付け、信頼関係を築く上で重要ですが、製品の品質がその信頼を裏切らないことで、顧客の継続的な支持を得ています。

つまり、ザッポスのビジネスモデルは「優れたサービス」と「高品質な製品」の相乗効果を生み出しているのです。サービスが顧客を引き付け、製品の品質が満足を提供し、それがさらなる購入や口コミにつながるという好循環を作り出しているのです。

さぁ、だいたいザッポスの骨子はわかりました。では他の会社でも応用できるのか考えていきます。

従業員は何人ぐらい?

ザッポスの正確な従業員数は公開されていないため、最新の正確な数字を提供するのは難しいですが、ネット情報などから推察すると。。。

  1. 最新の推定:
    • 2020年頃の報道や業界の推定では、ザッポスの従業員数は約1,500人から2,000人程度とされていました。
  2. 過去の公開情報:
    • 2012年頃には約1,500人の従業員がいると報告されていました。
    • その後、緩やかに成長したと考えられますが、大幅な増加はなかったようです。
  3. 変動要因:
    • eコマース業界の変化や自動化の進展により、従業員数は増減している可能性があります。
    • また、Amazonによる買収後の事業統合や効率化の影響もあるかもしれません。
  4. 部門別の内訳:
    • 正確な内訳は不明ですが、カスタマーサービス部門が大きな割合を占めていると考えられます。
    • その他、商品管理、マーケティング、技術開発、管理部門などがあります。
  5. 最近の動向:
    • 2020年以降、パンデミックの影響やeコマース業界の変化により、従業員数に変動があった可能性があります。

これらの情報を総合すると、ザッポスの現在の従業員数は1,500人から2,500人の間にあると推測されます。この規模であれば、日本では中堅クラスの会社ですから、応用できる内容はあると思います。

同業他者だったザッポスをなぜアマゾンは買収したのでしょう?

Amazonがザッポスを買収した理由には、いくつかの戦略的な意図があったと考えられます:

  1. オンライン靴市場への参入強化:
    • 当時、靴のオンライン販売は成長市場でしたが、Amazonはこの分野で強くありませんでした。
    • ザッポスは靴のオンライン販売で業界をリードしており、この買収でAmazonは即座に市場シェアを獲得しました。
  2. 顧客サービスのノウハウ獲得:
    • ザッポスは卓越した顧客サービスで知られていました。
    • Amazonはこの買収を通じて、顧客サービスの改善に役立つ知識やベストプラクティスを得ることができました。
  3. ブランドポートフォリオの拡大:
    • ザッポスは独自のブランドアイデンティティと顧客層を持っていました。
    • この買収により、Amazonは異なる顧客セグメントにアプローチする機会を得ました。
  4. 競合の排除:
    • ザッポスはeコマース市場で急成長しており、将来的にAmazonの脅威となる可能性がありました。
    • 買収することで、潜在的な競合を排除し、市場での地位を強化しました。
  5. 技術とインフラの獲得:
    • ザッポスは効率的な倉庫管理システムや配送ネットワークを持っていました。
    • これらの資産はAmazonの物流ネットワークを補完し、強化することができました。
  6. データと顧客ベースの獲得:
    • ザッポスの顧客データと購買履歴は、Amazonにとって価値のある資産でした。
    • これにより、クロスセリングや顧客理解の深化が可能になりました。
  7. 多角化戦略:
    • Amazonは常に新しい市場や事業領域への進出を模索しています。
    • ザッポスの買収は、この多角化戦略の一環でもありました。
  8. 文化的シナジー:
    • 両社とも顧客中心主義を掲げており、この点で文化的な親和性がありました。
    • これにより、買収後の統合がスムーズに進むと期待されました。

Amazonの決断は、短期的な競合排除だけでなく、長期的な成長戦略の一部だったと言えます。ザッポスの強みを活かしつつ、Amazonのプラットフォームと結びつけることで、相乗効果を生み出すことを目指したのです。

結果として、この買収はAmazonのeコマース帝国をさらに強化し、靴や衣料品市場での存在感を高めることにつながりました。

ではザッポスの良い点を他業種にも応用できるように考えていきましょう。

ザッポスの成功要因を他業種にも応用できるよう抽象化すると、以下のとおり

  1. 顧客中心主義の徹底
    • 顧客満足を最優先し、短期的な利益よりも長期的な関係構築を重視する
  2. 卓越したサービス品質
    • 業界標準を大きく上回るサービスレベルを設定し、実践する
  3. 柔軟な返品・交換ポリシー
    • 顧客のリスクを最小限に抑え、購入障壁を下げる施策を導入する
  4. 従業員教育への投資
    • 全従業員に対して、企業理念や顧客サービスに関する徹底した研修を実施する
  5. 企業文化の確立と維持
    • 明確な企業理念を定め、それを全ての意思決定の基準とする
  6. 技術革新の積極的導入
    • 顧客体験を向上させるための新技術を常に探求し、導入する
  7. パーソナライゼーションの追求
    • 顧客一人一人のニーズに合わせたサービスや製品を提供する
  8. 透明性の確保
    • 顧客レビューや製品情報を包み隠さず公開し、信頼関係を構築する
  9. 予想外の価値提供
    • 顧客の期待を超えるサプライズや付加価値を時折提供する
  10. 包括的なアプローチ
    • 特定のニーズを持つ顧客層(例:障害のある顧客)にも配慮したサービス設計
  11. フィードバックループの構築
    • 顧客からのフィードバックを積極的に収集し、迅速に事業に反映させる
  12. ブランド一貫性の維持
    • 買収後も独自のブランドアイデンティティと経営理念を維持する
  13. 専門性の確立
    • 特定の分野(ザッポスの場合は靴)で深い専門知識と幅広い品揃えを提供する
  14. 効率的な物流システムの構築
    • 迅速で正確な配送を実現する物流ネットワークを整備する
  15. 従業員エンパワーメント
    • 従業員に大きな裁量権を与え、顧客満足のために自主的に行動できる環境を作る

これらの原則は、業種を問わず多くのビジネスに適用可能です。各企業の特性や市場環境に合わせて適切にカスタマイズすることで、顧客満足度の向上と持続的な成長につながる可能性があります。CopyRetry

以上ザッポスの成功例を踏まえて明日から私が私の会社で変化を起こせること

抽象化したものから具体化すると次のような点。

  1. 顧客フィードバックシステムの構築:
    • プロジェクト完了後、クライアントからの詳細なフィードバックを収集する仕組みを作る。
    • 例: 簡単なオンラインアンケートを導入し、プロジェクトの各段階(計画、施工、完成後)での満足度を測定。
  2. アフターサービスの強化:
    • 建築物の引き渡し後も定期的にフォローアップを行う。
    • 例: 3ヶ月後、6ヶ月後、1年後にチェックの連絡を入れ、小さな問題も迅速に対応する。
  3. 透明性の向上:
    • プロジェクトの進捗状況をクライアントと共有する方法を改善する。
    • 例: オンラインのプロジェクト管理ツールを導入し、リアルタイムで進捗を確認できるようにする。
  4. 従業員教育プログラムの開始:
    • 技術スキルだけでなく、顧客対応スキルの向上を目指す。
    • 例: 月1回、外部講師を招いてコミュニケーションスキルのワークショップを開催。
  5. 環境への配慮:
    • 持続可能な建設方法や材料の使用を提案する。
    • 例: 次のプロジェクトで、環境に配慮した建材の選択肢をクライアントに提示する。
  6. デジタル技術の活用:
    • VRやARを用いて、クライアントがプロジェクトをより具体的にイメージできるようにする。
    • 例: 次の提案時に、簡単なVRモデルを用意し、クライアントに体験してもらう。
  7. 地域コミュニティとの関係強化:
    • 建設現場周辺の地域住民とのコミュニケーションを改善する。
    • 例: 建設開始前に地域住民向けの説明会を開催し、工事による影響と対策を丁寧に説明する。
  8. 予想外の価値提供:
    • プロジェクト完了時に、クライアントに小さな驚きを提供する。
    • 例: 建物の完成写真をフレームに入れて贈呈する、または植栽を1本追加で植える。
  9. 従業員のアイデア募集:
    • 現場で働く従業員からの改善案やイノベーションのアイデアを積極的に集める。
    • 例: 「改善提案ボックス」を設置し、毎月最も良いアイデアを表彰する。
  10. 安全性の可視化:
    • 安全への取り組みを顧客や地域住民に分かりやすく伝える。
    • 例: 現場の安全記録(無事故日数など)を大きく掲示し、定期的に更新する。

私ができていないと感じるのは、8番ですね。やはり、顧客満足度という点ではエンターテイナーとして予想外の出来事を起こすのがいいかと思います。

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