東南アジアにおける象の意味とは?
カンボジアやラオスといった国で象を見かけることが多いです。
気のせいかと思いながら調べてみると宗教的な意味合いで象が多く登場していることがわかりました。
実際に本物を見かけたのは今回のラオスだけですが、
アンコールワットの壁画に描かれていたり
象のような彫刻があったり、
今回のように実物がいたり、と象を見る機会が日本にいるときより
各段に多くなっていると感じます。
ということで、東南アジアにおける象の意味というのを
次の点からまとめてみたいと思います。
1.仏教における象
2.ヒンドゥー教における象
1.仏教における象
タイ、カンボジア、ラオスなどの仏教国では、象は力強さ、賢さ、
そして幸運を象徴しています。
特に「白い象」は非常に神聖視され、王権の象徴とされています。
■象は強くて賢い動物
象はとても大きくて力が強い動物です。そして、とても賢いです。仏教の教えでは、象はその強さと賢さで特別な存在とされています。
■白い象の伝説
仏教の伝説によると、お釈迦様(ブッダ)は生まれる前、お母さんの夢に白い象として現れました。この白い象はとても神聖で、特別な存在です。このため、仏教では白い象が特に大切にされています。
■仏教の国での象の重要性
タイやカンボジアなどの仏教の国々では、象はとても大切にされています。お寺や宮殿には象の彫刻や絵がよく見られます。これは、象が幸運や守り神として信じられているからです。
■祭りや行事での象
仏教のお祭りや特別な行事でも象が登場します。象はお祝いごとや特別な儀式で重要な役割を果たします。例えば、象に装飾をしてパレードを行ったりします。
■仏教における象:まとめ
象は仏教において、とても強くて賢く、幸運をもたらす特別な動物とされています。そのため、仏教の国々では象の彫刻や絵が多く見られるのです。
2.ヒンドゥー教における象
ヒンドゥー教の神ガネーシャは象の頭を持ち、
障害を取り除く神として信仰されています。
このため、インドネシアやマレーシアなどのヒンドゥー教徒が
多い地域で象のイメージが重要視されています。
■象の頭を持つ神様:ガネーシャ
ヒンドゥー教には、ガネーシャという神様がいます。ガネーシャは象の頭を持ち、人間の体をしています。この神様は特に子供たちや学生たちに人気があります。ちなみに、色はピンクをしていますが、これはタイでは生まれた曜日ごとに色がきまっていることに起因します。
ガネーシャは木曜日生まれなのでピンクなのです。
■ガネーシャの役割
ガネーシャは、障害(しょうがい)を取り除く神様です。つまり、困難(こんなん)や問題を解決してくれる神様とされています。だから、何か新しいことを始めるときや、困ったことがあるときにガネーシャにお祈りをします。
■ガネーシャの見た目
ガネーシャは、象の頭を持ち、一本の牙(きば)しかない姿で描かれます。なぜ、牙が1本しかないのかというと、「言葉を書き留めるために牙を折りその牙で執筆した」という話や、逸話の中で「月に笑われて怒って牙を月になげつけた」という話があります。
また、彼は多くの腕を持っていて、それぞれの腕に色々なものを持っています。これも彼の多くの力を表しています。ちなみにもっているのは、斧、壺、自分の折れた牙です。
■お祭りとお祝い
ガネーシャのためのお祭りもあります。例えば、インド、ムンバイ(ボンベイ)では「ガネーシャ・チャトゥルティ」という大きなお祭りがあり、人々はガネーシャの像を作り、きれいに飾って、お祈りをします。このお祭りの最後には、ガネーシャの像を川や海に流します。
■ヒンドゥー教における象:まとめ
ヒンドゥー教では、象の頭を持つガネーシャという神様がとても大切にされています。ガネーシャは困難や問題を解決してくれる神様なので、多くの人々がお祈りをし、特別な行事でお祝いします。だから、ヒンドゥー教の国々では象の彫刻や絵が多く見られるのです。
3.知っておきたい東南アジアにおける国別の宗教
さて、仏教やヒンドゥー教においては象というのがある一定の役割をしていることがわかりました。ちなみにイスラム教ではそれほど象は宗教的意味合いはもっていません。
東南アジアを宗教別に分けると以下のようになります。
仏教
- タイ - 仏教が国教であり、多くの人々が仏教徒です。
- ミャンマー(ビルマ) - 多数派が仏教徒です。
- ラオス - 仏教が主要な宗教です。
- カンボジア - 仏教が国の主要な宗教です。
イスラム教
- インドネシア - 世界最大のイスラム教徒の国です。
- マレーシア - 多数がイスラム教徒です。
- ブルネイ - イスラム教が国教です。
キリスト教
- フィリピン - 多くの人々がカトリック教徒です。
- 東ティモール - 多数がカトリック教徒です。
ヒンドゥー教
- バリ島(インドネシア) - ヒンドゥー教が主要な宗教です。インドネシア全体では少数派ですが、バリ島では主流です。
その他の宗教
- ベトナム - 大乗仏教、道教、カオダイ教などが混在しています。
- シンガポール - 多宗教社会で、仏教、キリスト教、イスラム教、ヒンドゥー教など多様な宗教が共存しています。
このように、東南アジアの国々はそれぞれ異なる主要な宗教を持っており、その影響が文化や生活にも現れています。